みんなでつくる

最近になって「みんなでつくる」ということがわかるようになってきました。

というのも、これは過去の経験が悪かったといえばそれまでなんですが。
同人作品としては2001年に、イベンターとしては2005年にそれぞれ2chなどで袋叩きにあったことがあります。

例によってアイシーエスですので作品については毎回斜め上を狙って作ります。ですので、ご批判はごもっともです。
これについてはニーズを注意深く見ていくことである程度回避できることだと思いますし、進行形で出来ていることだと思います。
もちろん現状に驕ることなく、もっと面白い物をつくることが弊サークルの責任だと考えています。

イベンターとしては2005年にある界隈での技術懇親会の企画をたった一人の2chの書き込みから結果開催を中止したという苦い経験があります。

これでは(事実はともかく)私から見て周りは敵だらけです。
最終的に取ったアクションは「徹底して個人サークル化」、すなわち「責任は自分だけに掛かるようにする仕組みづくり」でした。
うちに関わって巻き込まれて風評被害などとなると、それ自体が大変な迷惑ですし、やってはいけないことの一つだと思います。
実践で言えば東方Projectジャンルに移行してから2年後の「スキマジスタラジオ」まで、オフイベントなどでもほぼ同様の対応を取っています。

簡単に言えば人間不信なんですが、どうもそうではないことが最近わかってきました。

常識的に自分の考えどおりに行動していけばだんだん周りが変わっていくということも見えてきました。

もともと自分の前にも後ろにも道が無いようなところをひた走っているような状況ですので、いまさらということもありますが変わってきた実例をいくつも聞いてきますとやってきて良かったなと思うところです。

もちろん「批判」と「文句」と、いわゆる「いちゃもん」は明確に区別するべきですし、それぞれの対処をしていくべきです。

さて、そもそも同人イベントというものはどういうものなのでしょうか。
コミケの理念をおさらいしてみます。(http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20090819/p1より抜粋)

・自由に表現可能とする場を提供する
・同じ趣味の人達との出会い・コミュニケーションの場を提供する
・全ての参加者は平等であり、即売会を構成する一人である。
・一般人へ理解されるように頑張ってみる。

この理念が通用する条件として(http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20090819/p1より抜粋)

・参加者があまり多くなく、
・価値観や文化やリテラシーの水準が比較的粒ぞろいで、
・コミュニケーションに軸足を置いているコミュニティ

であれば何の問題もありませんし、事実うまくいっていることが多いでしょう。

ただし、上記条件を一つでも逸脱するような場合突然困難な課題となって降りかかってきます。これは時流ということもありますが現在進行形でおきていることだと思います。

コミュニケーションをとっていく上である程度の規模のグループができるのは致し方ない部分があります。ところが最近はより微細なグループ、もうちょっといえばクラスタが多くなってきた気がします。ましてクラスタ間の交流は殆どありません。

こうなってくると交流など期待できませんので極論をいえばイベントといっても文字通りの「即売会」を淡々とこなすことになります。これは悲しいことです。

理念に従えば、「同じ趣味の人達との出会い・コミュニケーションの場を提供する」「全ての参加者は平等であり、即売会を構成する一人である。」という点が欠けてきているのではないかと思います。規模の変化があるにせよ、この点は変えてはいけない部分ではないかと思います。
もちろん理念といっても変えるべきは変えていかないといけません。

どういうことかといえば、この理念を文面どおりに受け取るのではなく後ろに隠された意図まで読み解いていく必要が出てきます。ではどうするか、という具体的な行動に変えていかないといけません。

昨今、さまざまな分野でコミュニケーション不足が指摘されています。
これは結局のところ、培われてきたノウハウの移行がうまくいっていないということにも当てはまります。ということは、ある意味「おせっかい」をしていかないといけない、すなわち「他者と関わる」事から逃げていてはいけないということにもつながっていきます。

いかなる状況であっても指摘する時ははっきりと意見することが肝要ではないかと思います。
しかしながら発言出来るかできないかは縁によって決まる物ですからその縁をどう捉えてどう生かすかは本人次第です。しかしながら指摘すべきをしないというのは慈悲に欠けているように感じます。

いろんなことをひっくるめて、イベントというものは「みんなでつくる」ものじゃないかなと考えます。
全ての人に可能性があると信じていくことはもちろん、一面だけをみて決め付けることこそが危険かと思います。

参考文献:
http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20090819/p1
http://d.hatena.ne.jp/ir9/20061002/1159742289