見切り発車の勇気

先日東北新幹線でお客さん200人ぐらい積み残して出発してしまった話がありました。強風やらなんやらの混乱である程度は仕方なかったとはいえ、文字通り「見切り発車」と言っていいでしょう。

さて、この「見切り」というのは日常生活でも同じように、物事にどこかで線を引く必要がある話でも使いますね。

「やがみんは見切りが早すぎる」ということを時々言われます。といいながらガラクタを集めては後悔することもあるので実際のところどうかはわかりませんが。

とはいえ、この見切りが早いというのはうまく回っていく限りものすごく効果的なことにもなります。

「同人CDとは総合芸術作品である」と、どこかで伺ったことがありますが、事務的にいえば必要なリソースをどこから調達するか、いま確実に調達できるのはどこかということになってきます。特にうちのような短期集中で一気に答えを出さないといけない場面ではなおのことです。

短期集中ということは時間がありません。
どの作品を作るにせよ、スケジュール上どうやっても無理ということがわかれば、どうしてもお願いしたい場面でもスケジュール上出来ないということも起きてきます。発行日が決まっている話ですからここはある程度の冷酷さが必要になります。

とはいえ基本は相手の状況を知り尽くしておくことにつきます。今はダメでも次には状況が変わっていることは当たり前ですし、なによりやりたいことをやれるようにやっていただくことが結果的にいい作品になっていくものだと思います。やりたくても出来ないややりたくないで無理をさせてもいけないと思います。

このあたりの判断をしっかりしていきたいですね。

手帳の使い方

社会人としていい話ではないのですが、普段のスケジュール管理をすべて脳内と連絡されたメールと書類とカレンダーでこなしていました。日々の予定数が少ないからできる芸当です。
さすがに予定が混みいってくるとこれでは無理ですし、比較的行き当たりばったりになりがちです。(それでもやれてしまうのが怖いですが)
まあ、いままでも綱渡りスケジュールになる(移動も含めて分単位とか)ときはメモ用紙に書きだしたりはしていたのですが。

というわけで、来年用の手帳を買ってきました。
…とはいうものの、いままでがざっくりの予定ですのでどうつかったものか皆目見当がつきません。

みなさんどのように使われているんでしょうか?

コミックライブin名古屋12月に参加します。

というわけで、年内は11月でおしまいかなーと思っていましたが、コミケ新作のサンプル版を持って参加させていただくことになりました。

スペースはS30です。
画材販売コーナーに程近い場所となっております、お便利です。売店はスペース左手にございます、よりお便利です。コスプレゾーンも奥にございます。一層お便利です。(「デラお便利」ですまでたどり着かないところが名古屋というか。用を足される方は前の階段がお便所です。)

頒布予定:スキマジスタラジオ・幻想郷ラジオ寄席・立見席!幻想郷ラジオ寄席・満員御礼!幻想郷ラジオ寄席(仮題)

今回からうちがサポートに回っていた常葉日和さんを独立させてみようと隣接サークル指定を外していたのですが、なんの偶然か隣に来たことをお知らせしておきます。相変わらずのスペースですがお楽しみいただけると幸いです。

故事に習う

というわけで、悩んだ時は故事に習うことにしましょう。
本来は教訓的な話なんですが、意味が通る程度に改変しますね。

むかーしむかしに、たいそう腕のいい医者のお父さんとたくさんの子どもたちがくらしておったそうな。当時の医者は医薬分業なんてやっていませんから、自宅にあれやこれやの毒薬が置いてあるのはあたりまえ。

そこにたくさんの子どもがいるとなればやることは一つ、「間違えて服毒」ですね。毒に侵された子どもたちは、苦しさのあまり地に転げ回ります。

往診から帰ってきたお父さん、自宅の惨状をみて驚くのは当然。

さすがにやばいと思ったのか子どもたちは自分たちのいたずらは棚に上げて何とかしてくれなおしてくれと大合唱。

急いで解毒薬を用意するんですが、そこは子ども用。香料とかシロップを使って飲みやすくしてあるんですが何を言っても飲みゃしない。
どうも精神系にも効いちゃったみたいで本心が残ってるならともかく言うことを聞きゃしない。それもそのはず、子どもから見たらほんとに効くのか判りません。疑っちゃいますよね。

「いいからこの薬を飲みなさいな」
「いーや、それも毒かもしれないじゃん!」
こんなやり取りがあったとか無かったとか。

治してと頼んでおいてこれはないんでしょうが、そこは子どものなせる業。といって解毒薬を飲ませないことには治らないのは明白です。

ここでお父さん一計を案じます。
「この薬をここに置いておくからお前たちは取って飲みなさい」
と、次の往診があるからと出かけてしまいます。

さてここからが大芝居。
お父さん何を思ったのか使いの者を子どもたちの所に送って、お父さんが亡くなったと言わせたからさあ大変。
その知らせに大いに悲しみ、毒気から醒めて本心を取り戻し残された解毒薬を飲んで病を治すことができました。

その後様子を見計らってお父さんが帰ってきたのですが、子どもたちが一言。
「ひとやま越して置き薬がやってきた」

おあとがよろしいようで。オチがひどいよ!

とまあ、ざっくりこういう話です。途中からすっかり落語テイストですが気にしない方向で一つ。
正解はない話ですが、ちょっと視点を変えてみると結構教訓が出てきます。

さて、自分はいまどちらの立場で物事をみればいいんでしょう?
「毒」と「薬」とは何に当てはまるんでしょう?
お父さんの大芝居はどういう意味があったんでしょう?

いろいろ考えちゃいますね。

みんなでつくる

最近になって「みんなでつくる」ということがわかるようになってきました。

というのも、これは過去の経験が悪かったといえばそれまでなんですが。
同人作品としては2001年に、イベンターとしては2005年にそれぞれ2chなどで袋叩きにあったことがあります。

例によってアイシーエスですので作品については毎回斜め上を狙って作ります。ですので、ご批判はごもっともです。
これについてはニーズを注意深く見ていくことである程度回避できることだと思いますし、進行形で出来ていることだと思います。
もちろん現状に驕ることなく、もっと面白い物をつくることが弊サークルの責任だと考えています。

イベンターとしては2005年にある界隈での技術懇親会の企画をたった一人の2chの書き込みから結果開催を中止したという苦い経験があります。

これでは(事実はともかく)私から見て周りは敵だらけです。
最終的に取ったアクションは「徹底して個人サークル化」、すなわち「責任は自分だけに掛かるようにする仕組みづくり」でした。
うちに関わって巻き込まれて風評被害などとなると、それ自体が大変な迷惑ですし、やってはいけないことの一つだと思います。
実践で言えば東方Projectジャンルに移行してから2年後の「スキマジスタラジオ」まで、オフイベントなどでもほぼ同様の対応を取っています。

簡単に言えば人間不信なんですが、どうもそうではないことが最近わかってきました。

常識的に自分の考えどおりに行動していけばだんだん周りが変わっていくということも見えてきました。

もともと自分の前にも後ろにも道が無いようなところをひた走っているような状況ですので、いまさらということもありますが変わってきた実例をいくつも聞いてきますとやってきて良かったなと思うところです。

もちろん「批判」と「文句」と、いわゆる「いちゃもん」は明確に区別するべきですし、それぞれの対処をしていくべきです。

さて、そもそも同人イベントというものはどういうものなのでしょうか。
コミケの理念をおさらいしてみます。(http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20090819/p1より抜粋)

・自由に表現可能とする場を提供する
・同じ趣味の人達との出会い・コミュニケーションの場を提供する
・全ての参加者は平等であり、即売会を構成する一人である。
・一般人へ理解されるように頑張ってみる。

この理念が通用する条件として(http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20090819/p1より抜粋)

・参加者があまり多くなく、
・価値観や文化やリテラシーの水準が比較的粒ぞろいで、
・コミュニケーションに軸足を置いているコミュニティ

であれば何の問題もありませんし、事実うまくいっていることが多いでしょう。

ただし、上記条件を一つでも逸脱するような場合突然困難な課題となって降りかかってきます。これは時流ということもありますが現在進行形でおきていることだと思います。

コミュニケーションをとっていく上である程度の規模のグループができるのは致し方ない部分があります。ところが最近はより微細なグループ、もうちょっといえばクラスタが多くなってきた気がします。ましてクラスタ間の交流は殆どありません。

こうなってくると交流など期待できませんので極論をいえばイベントといっても文字通りの「即売会」を淡々とこなすことになります。これは悲しいことです。

理念に従えば、「同じ趣味の人達との出会い・コミュニケーションの場を提供する」「全ての参加者は平等であり、即売会を構成する一人である。」という点が欠けてきているのではないかと思います。規模の変化があるにせよ、この点は変えてはいけない部分ではないかと思います。
もちろん理念といっても変えるべきは変えていかないといけません。

どういうことかといえば、この理念を文面どおりに受け取るのではなく後ろに隠された意図まで読み解いていく必要が出てきます。ではどうするか、という具体的な行動に変えていかないといけません。

昨今、さまざまな分野でコミュニケーション不足が指摘されています。
これは結局のところ、培われてきたノウハウの移行がうまくいっていないということにも当てはまります。ということは、ある意味「おせっかい」をしていかないといけない、すなわち「他者と関わる」事から逃げていてはいけないということにもつながっていきます。

いかなる状況であっても指摘する時ははっきりと意見することが肝要ではないかと思います。
しかしながら発言出来るかできないかは縁によって決まる物ですからその縁をどう捉えてどう生かすかは本人次第です。しかしながら指摘すべきをしないというのは慈悲に欠けているように感じます。

いろんなことをひっくるめて、イベントというものは「みんなでつくる」ものじゃないかなと考えます。
全ての人に可能性があると信じていくことはもちろん、一面だけをみて決め付けることこそが危険かと思います。

参考文献:
http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20090819/p1
http://d.hatena.ne.jp/ir9/20061002/1159742289

募集するときのスタンス

アンテナが低いせいか、ここ最近のニュースに疎くていけません。
ここ最近のネット声優(ボイスエイド)を取り巻く環境がこうも悪化しているとは思いませんでした。詳細については皆さんご承知の通りですので記載しません。

もちろん悪意をもった人がいることは許しがたいことです。
とはいえ、まずは自らが襟を正すことからはじめないことには全体が良くならないと思います。

アイシーエスでは、作品に参加いただく方を全てキャストと呼ばせていただいています。このキャスト募集時のスタンスを説明しておきますね。

・「参加者」であること
スタッフはどんな苦労も致し方ないと思いますが、キャストさんに対してはあくまで「作品に対してお手間をかけてご協力いただいている」という立ち位置を取っています。

・必要な最小限の情報だけを取り扱うこと
特に個人情報についてはその漏洩が無いように気をつけています。また、作品制作終了まではメールアドレスのみで連絡を行い、完成作品の送付についてもDL頒布版を主にダウンロードしていただくようにしております。メディア版を希望され住所などの情報を頂いたとしても、企画終了後は速やかに破棄するなどの運用をしています。(それゆえに毎作品キャストが違うということになっています。)

・可能な限り全てネット上で完結させること(声優/歌手)
特に製作にあたり可能な限り全てをネット上でのやり取りで完結させるようにしています。これは旧アイシーエス時代の失敗を踏まえ、接触を最小限にすることと、うかつに行動することでのあらぬ疑いを掛けられないようにする点があげられます。

・気持ちよく参加できるような仕組みを作ること
ここまでのセキュリティを組むと自由度が減っていくわけですが、それを補う為の仕組みづくりが出来るよう、最新の技術動向などを踏まえシステム面でサポートをしています。(専用SNSシステム構築など)
作品の性質上直接収録が必要な場合やキャストさんに収録機材が無いなどの場合、あくまで合意を得た上でやむを得ず直接収録を行うなども行うことがあります。この場合でもキャストさんに失礼がないようにしております。

理想は製作スタッフ/キャストさんで打ち上げなどもやってみたいものですが、状況があまりにも変わりすぎた昨今ではもはや無理なのかもしれません。

いかなる作品を作る場合でも「やれる人がやれることをやっていく」「みんなでいっしょにつくる」という簡単なことをただ忠実にやりたいだけです。

英訳版「スキマジスタラジオ」頒布開始します。

いつもダウンロード頒布でお世話になっているDLSiteさんでは英語への翻訳作業もしてくださるのですが、この度「スキマジスタラジオ」の英訳版ができました。明日より頒布開始です。

と言っても、英訳されたのは作品紹介ページのみ。
マンガならともかく(あわせてセリフの翻訳をしてくださるそうです)だったんですが、残念ながら中身は国内頒布と同じ内容です。さすがに音声は翻訳できませんよね。
間違ってお求めにならないようご注意ください。

しかし、こうなってくると海外版も視野に入れた作品作りをしていかないといけないのかもしれませんね。
仕事柄英語は使えないと困るのですが、まあTOEICで150点の私が言えた義理ではありませんね。